わたしの好きな時計屋さんのこと ~その後~
このエピソードは
”わたしの好きな時計屋さんのこと” の続きです。
もしよかったら、先にお目通しください。
(↑クリックすると記事にとびます)
おじいさんに目覚まし時計を託してから数日後のある晴れた日、
私は再び時計店を訪れた。
修理の結果を聞くためだ。
直っていて欲しい、もう一度あのベルが聞きたい。
そう願う反面、理想の時計屋さんに巡り合えたのだ、
それでもう充分じゃないかと、
直らなかった時の心の準備として自分に言い聞かせてもいた。
これ以上欲張ってはバチが当たるかな・・・。
気持ちをどちらに持っていけばいいのかわからぬまま、毎日を過ごしていた。
ただ、駄目だったとしてもおじいさんの前で悲しい顔だけはするまい、
それだけは決めていた。
一週間ぶりに訪れたそこは、
もう何十年も時が止まっているかのようにのんびりと佇んでいた。
「時計屋さんなのに時が止まってたら大変だよな。」
自分の思いつきにひとりでクスっとしながら改めて店を眺めてみる。

